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パッケージがちゃんとしていたので油断したのだが、あとで見ると中に入っていたのはダビングテープだった。ま、画質はちゃんとしていたからいいけどね。でもね……。 ストーリーを簡単に説明しよう。主人公のジミー・ウォングは首斬りの達人である。愛用の刀を用いて九百九十八人の罪人の首をはねたという、首斬り道の奥義を究めた首斬り朝右衛門のような人なのだ。弟子のチン・シュウホウはなんとか首斬りの名人になるべく修業を続けているが、首斬りの道は険しく遠い。 ところが、九百九十九人目に首をはねた男の妹（ジョイ・ウォン）が、復讐のためにジミー・ウォングをつけねらいだす。でまあ、いろいろとあった挙句に、ジョイ・ウォンはジミー・ウォングの妻を殺して肉饅頭にしてしまうのだ（ヒエーッ）。だが、ジミー・ウォングの旧友であるウー・マに正体を見破られ、悪魔のような女、ジョイ・ウォンもついには首をはねられて死んでしまうのだ。ジャーン！ だいたいここまでで普通の香港映画一本分ぐらいの分量があるのだが、ここからがスゴイ話しになっていく。 ジミー・ウォングに首を切り落とされた罪人たちの亡霊が、復讐のために続々と登場してくるのである。なにしろ、九百九十九人も切っているのだから大変だ。なんと、殺されたばかりのジョイ・ウォンも亡霊となってよみがえってしまう。ジミー・ウォングは弟子のチン・シュウホウとともに戦うが、ついに力及ばず、亡霊どもの虜となってしまう。そして、亡霊どもの手によって首を切り落とされることになるのだが……。 このあとの展開については、あまりにもスゴイので、とてもここに書くことはできない。予定調和などまったく無視した、Ｂ級の王道を行く、とんでもない展開になってしまうのである。とにかくスゴイ。怪作中の怪作としかいいようがない。その昔、中川信夫の『地獄』を見た時の喜びを、久しぶりに味わってしまった。いやあ、パワー全開の怪作だ。特に突如としてパワーアップしてしまったウー・マにはビックリさせられた。 そして、最後にさらにビックリさせられる、とんでもないショックが待ち構えていた。なんと、あと一〜二分というところでテープが終わってしまったのである。そ、そんな馬鹿な。いくらなんでも、レンタルに使っていたビデオなのに、映画が最後まで入っていないなんて。まあ、入りきっていなくても、特に問題がないとは思うが。でも、この映画だったら、さらにドンデン返しがあっても驚かないぞ。とにかく、スゴイ映画だった。 あんまりビックリしてあやうく書き忘れるところだったが、相変わらず演技はヘタだが、この作品のジョイ・ウォンは素晴らしく美しい。『チャイニーズ・ゴースト・ストーリー３』などより、よっぽど美しく撮れている。 監 督：丁善璽（ティン・シャン・シ） 製 作：王羽（ジミー・ウォング）、柯俊雄（クー・シュンション） 出品人：呉栄億、陳常丕 出 演：ジミー・ウォング、ジョイ・ウォン、チン・シュウホウ、ポーリン・ウォン、ウー・マ たぶん、香港映画ではなく、台湾製作の映画なのだろう。
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