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その３８ 【The Unmarried Wife】2016年 監督：マリオ・Ｊ・デ・ロス・レイエス 出演：ディンドン・ダンテス、アンジェリカ・パンガニバン  互いを愛し合い、幸せな家庭を築いてきたはずのジョフ（ディンドン・ダンテス／Dingdong Dantes）とアン（アンジェリカ・パンガニバン／Angelica Panganiban）。 だが、会社が傾いたために失業してしまったジョフは、どうしてもそのことをアンに言い出せない。また、自分の仕事に夢中なアンは、ジョフの様子がおかしいことに気がつく余裕がなかった。 いつしか微妙にすれちがう２人。アンのことを心から愛していながらも、やがてジョフは癒やしを求めて他の女性と関係を持ち、それがアンにばれてしまう。 必死に許しを乞うジョフだったが、心から夫のことを信じていたアンには、どうしてもジョフの裏切りを許すことができない。だけど、幼い息子のために離婚もできず、一緒に暮らしながらもジョフを避け続ける。 しかし、そのことはさらにジョフを追い詰めることになり、ジョフは再び別の女性と関係を持ってしまう。 愛しているからこそ許せない。愛しているからこそ耐えられない。そんな大人のカップルの葛藤を描いたラブストーリー。 うーん、フィリピン映画、この手の映画がやたらと多いぞ。 涙を流しながらの「Forgive me」と「I'm sorry」が果てしもなく繰り返される映画。 さすがにこの手の映画には食傷してしまう。 『バトル・オブ・モンスターズ』などのディンドン・ダンテスは、フィリピンを代表する二枚目俳優だったはずなのに、本作ではなんともしょぼしょぼで、トップスターのオーラがかけらも感じられない。そういうキャラクターになりきっているのだろうけれど、もう少しオーラを出していてほしいと思ってしまう。 『Beauty in a Bottle』『That Thing Called Tadhana』などのアンジェリカ・パンガニバンはなかなかの熱演で、彼女がいなければこの映画はほんと、どうしようもないものになっていたのではないだろうか。ちょっとポッチャリした女優で（『Beauty in a Bottle』の時には食べ過ぎのデブという役柄だった）、最初に見た時にはまったく美人とは思わなかったのだけれど、次第に美人に見えてくるのだから不思議。 ジョフと別居して寂しげな様子のアンに心惹かれるブライアンという男性を演じているのは、パウロ・アヴェリノ（Paulo Avelino）。ちょっとチンピラっぽい外見でいまいち魅力を感じられないのだけれど、単なる脇役から徐々に大きな役が増えつつある男優であるようだ。 監督はベテランのマリオ・Ｊ・デ・ロス・レイエス（Maryo J. de los Reyes）。多くの作品を撮っている監督ではあるのだけれど、僕にとっては初めての監督のようだ。 脚本は数多くのヒット作で脚本を書いている日系フィリピン人のケイコ・アキノ（Keiko Aquino）。ケイコという名前ではあっても、日本語はまったく話せない方らしい。
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