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その２７ し、知らなかった。 ジョエル・ラマンガン監督の作品ならば、多少の無理をしてでも観に行くのに。 この『ママに花束を！』は2006年の作品で、主演はチェリー・パイ・ピカチェ。2008年には同じくラマンガン監督によって続編も作られている。けっこうヒットした作品のようだ。 そうかあ、「アジアクィア映画祭」かあ。チェックしそこねたかもしれないなあ。 あらためて調べてみると、同年の「アジアクィア映画祭」では、『無口な情熱 SIKIL』というフィリピン映画も上映されている。こちらは、『まばたき（Kurap）』のロナルド・バートゥビン監督の作品で、出演はウィル・サンデハス、ケン・エクスデロ、アシュレイ・シルベリオとのこと。 不覚ながら、これまた知らなかった。 さらには、前年の「アジアクィア映画祭2008」では、東京フィルメックスで上映されたあの愛すべき作品、『マキシモは花ざかり』が上映されていたりもするのだ。  そこで、もしかしてと思い「東京国際レズビアン＆ゲイ映画祭」の上映作品もチェックしてみる。 この「東京国際レズビアン＆ゲイ映画祭」では、気になる香港映画が上映されたりもするので、チェックはしているはずなのだけれど……、ああ、あったよ。 2006年の「第15回東京国際レズビアン＆ゲイ映画祭」で『マニラ・デイドリーム Masahista』という作品が上映されているではありませんか。ちゃんとチェックしているつもりで、しっかり見落としているではないか。 この『マニラ・デイドリーム』について調べてみると、ロカルノ国際映画祭2005金豹賞ビデオ作品賞受賞、トリノ国際ゲイ＆レズビアン映画祭2006観客賞受賞など、けっこうあちこちで評価されている作品であるらしい。 監督はブリランテ・メンドーサ。本作の他に「アジアフォーカス・福岡国際映画祭2008」で『どん底（Tirador）』という作品が上映されている。 なんと、５年間で８本もの映画を発表するという精力的な監督で、2009年には『KINATAY（虐殺）』という作品でカンヌ映画祭の監督賞を受賞しているのである。 それなのに見逃してしまうなんて…。  フィリピン映画は映画祭などで上映されてもぜんぜん話題にならないので、しっかりアンテナを張り巡らしておかないと、こうやって見落とすことになってしまうのですね。
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