2022年に観たフィリピン映画

【ヴァンプ・ハンター（Vampariah）】2016年

監督：マシュー・アバヤ
キャスト：ケリー・ルー・デニス、オーリーン・アルマリオ



　自分でストーリー紹介する気にもなれない作品だったので、ネットで拾ってきたあらすじをそのまま引用すると「西半球最強のエリート部隊に属するマハール（ケリー・ルー・デニス／KELLY LOU DENNIS）は、吸血鬼をはじめ“不死者”と呼ばれる暗闇の生き物すべてから、世界を守る使命を担った勇敢な女ハンター。ターゲットの中で最も手ごわいとされるのは、伝説の吸血鬼アスワンだった。アスワンは、襲った犠牲者の血と内臓を食し、日中は美しい女性の姿で人間と同じように生活をしているため、見分けることは至難の業。そんなアスワンにかつて家族を奪われたマハールは、彼らを殺す機会を狙っていたのだが…。」ということになる。

　ちょっと疲れていて英語字幕を追うのがしんどかったので日本語字幕のついているフィリピン映画ということでこの作品を観たのだけれど、これだったらまだ英語字幕と戦った方が楽だったかもしれない。はっきりいってしまうと、アマチュアによる自主製作映画といったレベルの作品だったのだ。実につまらなかった。
　ちなみに、フィリピンの土俗的な妖怪アスワンを題材にしてはいるものの、完全な無国籍映画といったおもむきで、フィリピン映画という感じはまったくしない。表記ではアメリカとフィリピンの合作となっているけれど、フィリピンのアスワンを題材にしたアメリカ映画と考えた方がよさそう。
　そもそも、この映画の題材となっている魔物、映画ではアスワンと呼んでいるけれど、これはアスワンではなくマナナンガルだよな。マナナンガルというのは、日中はふつうの女性として生活しているが、夜になると背中にコウモリの翼が生え、下半身と上半身が分離して上半身だけで飛び回って人間を襲う魔物のことで、映画に出てくるのはまさにこのマナナンガル。フィリピン映画だったら、これをアスワンとは呼ばないだろう。

　監督のマシュー・アバヤ（MATTHEW ABAYA）は、名前を見るとフィリピン系と思われるが、サンフランシスコ州立大学を卒業して、現在もサンフランシスコの高校でデジタル・アートのクラスを受け持っているとのこと。2003年に「BANPINAY」という短編映画を作成し、それが本作のベースになっているとのこと。