2021年に観たフィリピン映画

【He's Into Her The MOvie Cut Part1】2021年

監督：チャド・ヴィダネス
キャスト：ベル・マリアノ／ドニー・パンギリナン



　11歳のときに日本で母親が亡くなったマックス（ベル・マリアノ／Belle Mariano）。片田舎の島で祖母と叔父によって育てられていた彼女だが、そこに裕福な父親が現れ、マニラで新たな家族と一緒に暮らすことになる。
　はっきりとは分からなかったのだけれど、父親は離婚して別の子持ちの女性と再婚していたのだけれど、娘の消息がわかったので引き取ったということらしい。父親はマックスのことを大事に思っているのだけれど、突然家族の増えた母親と姉はいささか反感を覚えている様子。
　金持ちの子息が通う高校に転校するマックスだが、転校早々にスクールカーストの最上位に位置するバスケットボール部キャプテンのデイブ（ドニー・パンギリナン／Donny Pangilinan）とぶつかり合い、彼を殴り倒してしまう。
　そのため、さまざまないじめが彼女に襲いかかるのだけれど、気の強い彼女はそれに真っ正面からぶつかっていく。だが、それがエスカレートしすぎてマックスの涙を見たときから、デイブの気持ちはマックスに傾いていくのだった。

　見事なまでに典型的な少女マンガテイストのラブコメディだ。もともとは『He's Into Her（彼女に首ったけ）』という人気小説があって、それを全10話でテレビドラマ化したものが大ヒットし、それをさらに二部構成の映画として再構成したものということらしい。
　日本の少女マンガを原作にしたドラマとか映画で見たことのあるような展開である。しかし、そこはそれフィリピン映画なので、家族の問題が非常に大きな要素を占めている。マックスの祖母は病気を抱えていて、マックスがアルバイトをして薬代を仕送りしなければならないし、新たな家族との確執という問題もかかえている。また、デイブはというと事故で昏睡状態となった兄が入院しており、その兄を溺愛していた母親はデイブの方を見向きもしようとしない。
　このPart1では、ふたりはいったん仲良くなり、周囲からも恋人どうしとみなされるのだけれど、またしても些細なことから対立してしまい……というところで終わっている。続きはPart2だ。おそらくこのPart2で家族の問題なども感動的に解決したりするのだろう。それがフィリピン映画なのだから。