2021年に観たフィリピン映画

【僕のアマンダ（My Amanda）】2021年

監督：アレッサンドラ・デ・ロッシ
キャスト：アレッサンドラ・デ・ロッシ、ピオロ・パスクア



　Netflixでフィリピン映画『僕のアマンダ（My Amanda）』を観る。
　主演は『悪魔の季節（Ang Panahon ng Halimaw）』『停止（Ang hupa）』のピオロ・パスクア（Piolo Pascual）と『キタキタ（Kita Kita）』のアレッサンドラ・デ・ロッシ（Alessandra de Rossi）。

　お互いに相手のことを想い続けながらも、一歩踏み出すタイミングがないまま、ずっと親友として付き合い続けてきていたティージェイ（ピオロ・パスクア）とアマンダ（アレッサンドラ・デ・ロッシ）。他の恋人と付き合いながらも、いざとなればティージェイが自分を守ってくれると心から信頼して生きるアマンダ。いささかエキセントリックなところがあるアマンダを、ずっと献身的に見守り続けるティージェイ。
　そんなふたりの微妙な関係を描いた作品。

　正直、僕の苦手なタイプの作品だ。頭の中でひとりよがりな物語を作りすぎてしまっているという感じ。おそらく、はまる人にははまる映画なのだろう。IMDbでのレビューを見ると、「退屈」「時間の無駄」「がっかり」と酷評が並ぶかと思うと、「フィリピン映画のベストの1本」「素晴らしい」など満点が並び、完全に評価はふたつに分かれてしまっている。
　だけど、少なくとも僕向きの作品ではないと感じた。アマンダのキャラクターがもう少し共感しやすい性格ならまた違った印象になるのだろうけれど、でも、そうなったらそうなったでこの作品ならではのテイストそのものを壊すことになるので、やはりこういう作品になるしかないのだろう。
　とはいうものの、アレッサンドラ・デ・ロッシのキャラクターは、はた迷惑と思いながらも、愛おしく思わずにはいられない。

　主演のアレッサンドラ・デ・ロッシが自分で脚本を書き、自分で監督を務めている。これが彼女にとって初めての監督作品だ。おそらく、こういうキャラクターを演じてみたいという欲求がベースにあったのだろう。
　制作をピオロ・パスクアやジョイス・ベルナールが率いるスプリング・フィルムスが担当している。