『ポリス・ストーリー３』

香港では興行収入が3000万香港ドルを超えると大ヒットと呼ばれ、4000万香港ドルを突破するとスペシャル大ヒットと位置づけられる。ところが、さらにその上、5000万香港ドルを超えた作品が今までに３本だけある。ジャッキー・チェン主演の『ファイナル・プロジェクト』『レッド・ブロンクス』とチョウ・ユンファ主演の『ゴッド・ギャンブラー完結編』。つまり、ジャッキーとユンファこそが、香港映画最大のドル箱スターなのである。 　そのジャキーが中国、タイ、マレーシアをまたにかけて大活躍する痛快活劇映画『ポリス・ストーリー』の第３弾が本作。 　香港警察のチェン刑事（ジャッキー・チェン）は、巨大な犯罪組織壊滅の特命を受け、中国国家保安局のヤン（ミシェール・キング）と共に敵組織に潜入する。そこで展開するアクション！アクション！アクション！　黄金の三角地帯を舞台にした麻薬密造グループとの死闘！　クアラルンプールを舞台に敵のボスを追っての決死のチェイス！　そのアクションが半端じゃない。よくぞ撮影中にジャッキーが死ななかったものと、思わず神に感謝したくなるような危険な場面の連続。この危険なアクションこそがジャッキー映画の魅力のひとつなのだけれど、それにしたってすごすぎる。しかも、共演のミシェール・キングまでが、走る列車の屋根にオートバイでジャンプしたりもするのだ！ 　生まれて初めてオートバイに乗った女優にここまでやらせた監督は、スタントマン出身のスタンリー・トン。むちゃなアクションシーンを撮らせたら世界一危険な監督である。ぜひ、ご自分の目でその痛快アクションを堪能していただきたい。

1992年／ビデオ＝東和ビデオ、3689円

メモ 　僕としては好きな映画を見て欲しいという気持ちで原稿を書いているので、どうしても最後のフレーズは「ぜひともご覧になっていただきたい」「ぜひとも見てください」となるのだけれど、担当編集者は「そういうへりくだった表現をしないでください」と言う。いや、別にへりくだってるわけじゃないんですけど。おかげで、このあとの回は、いずれも最後のフレーズでひどく苦労することになってしまったのでありました。